「コロナ債ではなく、ソブリン債を」〜ヨーロッパが生活産業で自活するために〜
我々は、危機のまだほんの始まりにいる。
色々な意味での危機、そして特に、経済と社会的な危機は、始まったばかりだ。
観光、交通産業、エンターテイメントなど、たくさんの分野の産業は、再生までにとてつもなく長い時間がかかり、たくさんの仕事が失われるだろう。
反対に、他の分野の産業は十分に発達しておらず、十分に生産性がない。
だから、我々は今、行動を起こさなければならない。
経済が新しい方向に向き、新しい開発のエンジンを装備するために。
このことは世界のどこにも共通しているが、特にヨーロッパでは、長期的に考えて生活のために必要度の低い製品やサービスを生み出している。
しかも、ヨーロッパは一つの独立した自治体として、一番重要な部分を失ってしまった。
ブリュッセルが、自治に対する希求より、競争哲学を唱え始めたのを見て、やっと自治ということの大切さに気づき始めた。
EUはこの新しい挑戦に対して、足並みをそろえていない。
だが、それは当たり前だ。
医療はEUの共通の政策ではないし、EUの資金はGDPの1パーセントまでという上限がある。
しかし、そのわずかな資本であっても、驚くべきことに、EUのリーダー、特に議会と中央銀行は、奇跡を起こしている。
各国の政府もそれぞれよく働いているが、バラバラなやり方である。
連邦主義者は、すぐに従来のアイディアを思いついた。
ユーロ債である。
ユーロ債を使えば、EUが利子の低い融資を受けるのが難しい加盟国を助けることが可能になる。
この提案は、またもや、南の国々(今回はフランスは真っ先にこちらに入るが)とその他の国の溝を深めることになった。
その他の国というのは、南の経済的に弱い国にお金を出すことに、全く賛成していない。
その中でも猛烈に反対しているのが、ドイツとオランダだ。
これらの国は大衆の意識に訴える反対勢力の巻き返しを恐れている。
またはすでにそのような勢力が与党となっている。