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コロナ債ではなく、ソブリン債を

実際、これはもう使い古された議論である。

我々は、目の前の問題に対して、全く違ったやり方を考え出す必要がある。

まず、ヨーロッパ中央銀行は今、メンバー各国のローンを減らすため、様々な手段を用いている。

次に、今の政府は国の事業を支援するために、とてもやる気を持っている。

そして最後に、ヨーロッパ投資銀行とその他のヨーロッパの団体が、ヨーロッパ安全債(ESB)を含めて、ケンカを始めようとしている。

これはこれまでのパラダイムを変化させ、全く違った解決策を考える、良い機会となるだろう。

それを可能にするためには、ただの経済政策ではなく、もっと高尚な意味での政治が求められる。

加盟国の連帯を強め、経済を再稼働させ、国を自治する上での問題を解決する、そのような政治である。

そのためには、EUはこれからの世界で自活して生きていくための生産を取り戻さなくてはならない。

私はそれを、「生活産業:健康、食べ物、衛生、水、住居、デジタル、エネルギー、教育、研究、分配、環境保護、安全、情報、その他」と呼んでいる。

我々はこれらの生活に不可欠な分野を、ヨーロッパ以外の国々からの供給に依存し続けていくことはできない。

そして我々は、これらの製品やサービスに、もっとお金を払うことを受け入れなければならない。

それは我々の自主独立のために支払う対価である。

そうすれば、失われてしまった産業を埋め合わせる仕事場ができる。

このような産業は、新しい、有益な投資の元にもなる。

この方針を始めるにあたって、EUは膨大なローンを発行する。

例えば、さしあたって2千億ユーロ(約200兆円)くらいだろう。

しかしこれは、「コロナ債」とよばれるものではない。

コロナ債は、経済全体に投資することを目的とする。

しかし「ライフ債」(「ライフ・ユーロ債」または 「ソブリン債」とも呼ばれるもの)は、先に挙げた生活産業(そして、必要度が低い分野との交渉)だけに投資し、EUの自主独立を作っていく。

このような財源は、現在用意されているモデルの上に、ゆっくりと足していかれるであろう。

特別に作られた組織がこの投資を、様々な国や会社の中で、どのように分配するかというルールを決めるだろう。

株式公開買付けを基本として、できる限り多く、そしてできる限り早く。

ヨーロッパが結束を固めることに対して積極的でない国々も、これには興味を示すだろう。

我々は早急にアクションを起こさなければならない。

ショックと危機を乗り切るために。

トンネルの先には、光があることを知らせるために。

そして前に進むために。

出典@http://www.attali.com/en/geopolitics/not-a-coronabond-rather-a-sovereign-bond-for-europe-to-become-self-sufficient-in-the-life-industries/

ジャック・アタリ氏の公式ホームページより

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